ことばのパズル　もじぴったんアンコール

完璧を求めない方が楽しめるパズルゲーム

　「もじぴったん」は、バンダイナムコが2001年に制作した文字を繋げて単語を作るパズルゲーム。ただ単語を作るだけでなく、パズルゲームらしく単語の長さや連鎖に応じて高得点が入るようになっています。「ことばのパズル　もじぴったんアンコール」はSwitch向けに移植された最新作で、ステージの追加や時代の流れに沿った新語の登録も行われています。

　オフラインによる二人対戦やオンライン対戦モードもあるのですが、本レビューでは一人用のモードのみレビュー対象とします。

ことばのパズル　もじぴったんアンコール

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ゲーム概要

　ステージの升目の中に用意された文字を一つずつ置いて単語を作っていきます。ステージによって最初からある程度文字が置かれていたり、用意された文字に制限が有ったり、作る単語の制限が有ったり、文字を置くとステージが動いたり、と様々な仕掛けがあります。

　一人用のモードは「とことんパズル」と「わくわくパズル」の二種類。
　とことんパズルは好きなステージを一つ選んでクリアしていくモードで、クリアした時のスコアによって評価が変わります。（通常は銀の冠、指定されたハイスコアを達成してクリアすると金の冠が貰えて、デコレーションアイテムが手に入る）
　わくわくパズルはイージー、ノーマル、ハードの三種類の難易度を選んで、5～6ステージを順番にクリアしていくモード。クリアできるとリザルトで単語の傾向から性格診断もしてくれます。（あくまでお遊び要素ですが）

　とにかく、一度遊んでみればルールはすぐ覚えられると思います。体験版もありますので、まずはそこから少し遊んでみるのが良いでしょう。

良い所

予想通り、もしくは予想外の連鎖が出来た時の爽快感

　ステージのパターンとして高得点が必要だったり、「単語を〇〇以上作れ」というものが多いです。これらを効率よく達成するには連鎖が効果的です。単語の判定は縦と横で判定されるので、例えば
　　た
　あ□て
　　ほ

　のような形を作っておいて、最後に□の部分に「い」を入れれば縦横で複数の連鎖が作れます。もちろん一文字の単語は許されていないので、実際には上記のような形にするには他の文字も必要です。そのような下準備をした上で連鎖を行う事になるのですが、使える文字に限りがあるので簡単にはいきません。

　だからこそ、それを乗り越えて連鎖が作れた時の達成感はなかなかのものです。また連鎖が出来た時に良くあるのが、自分でも予想していなかった単語が完成していて思わぬ高得点が取れることです。新しい単語に出会える楽しさもあります。

軽快なBGM

　個人的にもじぴったんのBGMはどれも明るく楽しい曲ばかりで気に入っています。単語が出てこなくて悩んで居る時でさえ楽しい気分にしてくれます。

賛否両論っぽいところ

制限時間が厳しめ

　制限時間のあるステージが結構あります。もちろん咄嗟の判断力を要求されるのもパズルゲームの醍醐味だとは思いますが、どちらかと言うとじっくり考えて最高の連鎖を作るのがこのゲーム本来の楽しみ方ではないかと思います。
　制限時間は短めのものが多いので、ちょっと悩むとすぐにタイムオーバーになります。高得点を狙うなら初見はほぼ不可能です。一度ステージをよく見て、きっちりと予習した上で臨む必要があり、それだと実質的に制限時間無しと同じになってしまいます。　

リアル語彙力が必要

　これは良い所に入れても良かったと思いますが、偶然できる単語に頼っていてはクリアは難しいです。やはりどんなステージでも安定してクリアしていくためには自分自身の語彙力を増やす必要があります。本を読んだり、ゲーム内で辞書検索もできますので、しっかり勉強して臨みましょう。
　この勉強は日常生活では確実に役立つものではありますが、ゲームのために勉強なんてしたくない、という方も居るでしょう。あくまでゲームとして見るか、知育ツールとして見るかで評価が変わってきそうです。

イマイチに思うところ

最適解を狙い過ぎると作業になる

　連鎖を組む楽しさがこのゲームの楽しさと書きましたが、その一方であまりにも最適解を求めすぎると却って楽しめなくなるように感じます。
　「とことんパズル」モードは後半になってくるとかなりの難問揃いになり、金の冠が必要な点数の水準に到達するのが難しくなります。完璧主義な人は「ゲームのクリア＝全問で金の冠」と意気込むところでしょうが、楽しいはずの頭の体操が苦行のようになってきてしまいます。何しろ全部で800問以上ありますし。

　コンプリートは狙わず、あくまで自分の知識の中でどこまで出来るか、というのがこのゲームの主旨であるように思います。逆に言えば、中途半端な状態で放置するのが嫌いだという人には向かないかもしれません。

まとめ

　ことばのパズルと言うとクロスワードパズルが浮かびますが、そのような最初から答えが決まっているパズルではなく、自分で自由に単語を作り、様々な仕掛けに対応しながら連鎖の形を作って高得点を狙う、というゲーム性はもじぴったんが唯一無二の存在ではないかと思います。
　普段から日本語を使っている者として、一度は遊んでみるべきゲームでは無いかと思います。

　ただし「イマイチに思うところ」で述べたようにコンプリートは茨の道ですので、朝起きた後や寝る前など、ちょっとしたスキマ時間に結果を気にせず気楽に遊ぶ、それくらいの付き合い方がちょうどよい気がします。
　パズルゲームと言うよりは、やはり知育ツールとしての趣の方が強いでしょうか。

主なロード時間（演出による待ち時間含む）