今でも通用するスーパーファミコンゲーム10選

レビュー
出典:My Nintendo Store

前回「ファミコンのゲーム10選」の記事を作ってみました。その続きで、今回はスーパーファミコン版(以下SFC)でゲームをリストアップしてみました。前回同様、筆者の主観全開です。

 始めにお断りしておくと、そもそもSFC対応ソフトの販売数に比較してNintendo Switch Onlineのラインナップはまだまだ乏しく、大半が現在オリジナル版を遊ぶのが難しい状況ですので、その点はご了承ください。

スーパーファミコン(SFC)で10本選ぶならこれ(主観)

一応上からオススメ順となりますが、明確に順位を付けるには微妙な差なので、あくまで参考です。

では、それぞれについて語っていきましょう。

タクティクスオウガ

 SFCおすすめの一本を挙げるとすれば、筆者は今までも、そしてこれからも「タクティクスオウガ」を推します。高低差の概念を持つタクティクスシミュレーションというシステム面だけでなく、そのストーリーも当時は斬新なもので、民族紛争をベースにしていたり途中の選択肢によって主人公の性格や立場が大きく変わったりと、その完成度は群を抜いていました。
 個人的に味方は一度の戦闘に10人まで参加できるので、ストーリーキャラ以外に雇用した汎用キャラの活躍の場が有るという点が気に入っていました。現在でもこの系統のゲームは大手ソフトメーカー、インディーズ問わず作られていますが、ゲームのテンポを早めるためか味方出撃枠が数枠しかなくて編成の自由度が低い、そもそも汎用キャラが存在しない等の制約があって、なかなか思い通りのゲームが出てくれないなとやきもきしています。

 トレーニングで自由にレベルアップができるので初心者でも詰むような事は無く、むしろ慣れてきたらトレーニングを禁止したり、汎用キャラだけで戦ってみたり、弓が強いので敢えて弓は封印して戦ってみたりと、プレイヤーの技量に合わせて様々な遊び方が出来るのも良い所です。さらに99階まである長大なダンジョンもあったりと、ずっと遊べる傑作と言えます。
 残念ながらSwitchでは遊べませんが、WiiUと3DSのバーチャルコンソールがあります。

ドラゴンクエスト5とファイナルファンタジー5

 ファミコン編同様、この二作も今回まとめてお話します。SFCにおいては「ドラゴンクエスト(以下DQ)」は5,6(+1~3のリメイク)が、「ファイナルファンタジー(以下FF)」は4,5,6がそれぞれ発売されていましたが、その中で筆者が挙げるなら共に5作品目となります。
 DQ5は三世代に渡る壮大なストーリーと仲間モンスターシステム、FF5は二つの世界を舞台としたストーリーで、戦闘面でのジョブ+アビリティシステムが特徴となっています。
 特にDQ5の仲間モンスターとFF5のアビリティはどちらも以降のシリーズと系列作品に影響を与え、大きな転換期となった作品だと考えています。

 DQ5の仲間モンスターは鳥山明氏のデザインもあって、もともと敵ながら愛嬌があり人気を博していました。そんなモンスターと一緒に戦えることは純粋に楽しく、しかも人間キャラではできない役割が可能なので戦略として組み込むことが出来た点が大きいです。
 なお、FFにおいては召喚獣が仲間モンスターに近いですが、こちらもFFシリーズにとっては象徴的な存在となっていますね。やはり敵キャラに魅力があるのも良いゲームの条件なのでしょう。

 FF5のアビリティシステムはジャンルを問わず様々なゲームに導入されているので、仲間モンスター以上に影響が大きかったかも知れません。これはジョブを育てる事で入手できるアビリティ(技能)を別のジョブに付与する事ができるというもので、魔法が使える戦士、あるいは格闘ができる白魔導士など、DQ3における転職以上に自由度の高いカスタマイズが可能でした。
 その対応力は凄まじく、適切なアビリティが揃えばレベル1でもラスボスを倒せるほど。達成した人も凄いですが、その奇跡的なゲームバランスには今でも驚かされます。

 惜しむらくは、どちらも現在Switchで遊ぶ事はできないという点です。最近スクエニはピクセルリマスターという形でリメイクを行っていますので、恐らくSwitchにもいずれ出ると思いますが、逆に言うと原作版を遊ぶ事はもう難しいかもしれません。

MOTHER2

 ファミコン版の初代から、あらゆる点で大幅に進化したRPGです。MOTHER1ではファミコンと言う性能上粗削りな所も見られましたが、本作は圧倒的な作り込みで驚きの展開が目白押しです。BGMも前作から引き続き実に素晴らしいです。
 ドラムロール式HPゲージを採用し、HPが0になるダメージを受けても0になる前に回復すればセーフというシステムがありましたが、実際はコマンドバトルとは少し相性が悪かった事、四人目の仲間(デフォルト名「プー」)が他の仲間に比べて唐突に仲間になるので少し浮いてるなどやや気になる点はありますが、それを補って余りある魅力があります。
 特に「どせいさん」は強烈な印象を残すキャラクターで、あんな姿(失礼)ではありますがラストバトルには欠かせない存在であるなど、どうやったらこんな世界観を構築できるのだろうと感心します。

 この辺は実際に遊んでみれば伝わると思います。Nintendo Switch Onlineで遊べますが、まだの方は出来れば初代MOTHER1の方から遊ぶと、より一層楽しめると思います。

ゼルダの伝説 神々のトライフォース

 初代「ゼルダの伝説1」同様のトップビューのアクションRPGです。正直初代は難易度的に厳しい所がありますが、本作は各種導線がしっかりしておりストレスなく遊ぶことができます。
 マップには高低差の概念が追加され、高所から飛び降りる事で新しい道が開けたり、闇の世界と行き来する事で仕掛けを解いたりと「少し悩む必要があるが、少し考えると分かる」謎解きは絶妙のバランスで、一度クリアした後でも謎解きの一連の作業を楽しく行えます。

 演出も強化され、特にマスターソードを抜くシーンは最新作「ブレスオブザワイルド」でもセルフオマージュされるほどの、まさに伝説的な演出です。
 ストーリー的には最初から主人公のおじさんが絶命する等、意外とシリアスなものです。様々なアイテムを入手して行動範囲が広がり、着実にガノンを追い詰めていく事を実感できる展開も少年漫画さながらの熱さです。
 これまた「ブレスオブザワイルド」でも出てくる敵弾の打ち返しもあるので、未プレイの方も久しぶりの方も本作を遊んでみれば、以降のゼルダシリーズ伝統のルーツを知ることができるでしょう。
 Nintendo Switch Onlineで遊ぶことができます。

スターフォックス

 宇宙戦争をベースとしたSFシューティングゲームである「スターフォックス」は、スーパーFXチップを使う事でポリゴン描写を可能とした当時としては画期的なものでした。
 本作の凄い所は「ポリゴンを使いました」で終わるのではなく、それによってどんな新しい事ができるか?を随所に盛り込んでいる事です。
 僚機とフォーメーションを組み、時には後ろから援護射撃してくれたり、時には敵に追いかけられているのを助けたりと「同じ空間で戦っている」という雰囲気を作ったり、敵空母に突入して細い通路を高速で潜り抜けて中枢を破壊したり、敵同士が合体して巨大ロボになったりと、ポリゴンによってダイナミックに表現できることをこれでもかと盛り込んだ秀作です。

 ちょっと難易度が高いのですが、出撃シーンをはじめとする様々な演出は最新のゲームと比べてグラフィックは劣るものの十分に感動できるもので、要はセンスなのだと再認識させれらます。
 Nintendo Switch Onlineで遊ぶことができますので、雰囲気だけでも一度は味わってもらいたいです。(Nintendo Switch Onlineには幻の「スターフォックス2」もあるのですが、やはりお勧めは1の方です)

トルネコの大冒険 不思議のダンジョン

 「1000回遊べるRPG」という謳い文句で、はまった人は恐らく1000回以上遊んだであろう本作は、もともと海外で歴史の古い「ローグ」という探索型RPGを発展させたものです。
 日本においてローグライクゲームはその時点ではあまり意識されておらず、SLGや落ちものパズル系はともかく、RPG、ACT、STGと言ったジャンルは基本的に配置が固定で、「遊ぶ度に展開が異なる」というゲーム性は稀でした。
 本作の成功が、日本におけるローグライクの始まりだったと考えて問題無いと思います。

 ただ単にローグ要素を取り入れただけでは、それほど話題にならなかったでしょう。本作が画期的だった点は、世界観とゲーム性をうまく融合させたことにあると思います。トルネコは言うまでも無くDQ4の主人公の一人でしたが、商人と言う立場から戦力としてもキャラ的にもあまり目立たず、同作における牢屋イベントで入れられるのはブライかトルネコか、という感じでした。
 ところが、商人なので様々なアイテムに詳しい、杖や巻物なら使う事ができる、という要素がこれ以上ないほどゲーム性にマッチしています。DQ4の他のどのキャラが不思議のダンジョンの主人公になったとしても、いずれもしっくりこないのでは無いでしょうか?
 また、敵キャラも中途半端なダメージを与えると自爆するばくだんいわ、本編でも本作でも脅威となるドラゴン、本編同様二回攻撃してくるシルバーデビルなど、感心する位DQの世界観を組み込むことに成功しています。

 という事で、DQという人気シリーズ+日本に馴染みのなかったローグライクゲームは成功を収め、「不思議のダンジョン系」というジャンルが確立して今に至ります。歴史にifはありませんが、もし先に発売されたのが「風来のシレン」だったら、日本でここまでの成功は無かったのかも知れません。そんな意味では、日本のローグライクファンにとっては象徴的な作品と言えます。
 残念ながら現在Switchで遊ぶ事はできません。いまとなってはシンプルなゲーム性ですが、古典的名作としてたまには遊びたいところです。

半熟英雄 ~ああ、世界よ半熟なれ…!!~

 スクウェアのセルフパロディが詰まったちょっと(かなり)間抜けな王子が主人公のRTSです。半熟英雄はファミコンでも発売されていましたが、SFC版の本作はかなり出来の良い良作となっています。
 本拠地から部隊を各地に派遣して敵拠点を制圧していくのですが、通常のバトルは兵隊同士でぶつかって敵を画面外に追い出すぶつかり合いですが、それぞれの将軍が持っている「卵」を使う事でエッグモンスターを召喚し、戦わせることができます。(その場合はコマンドバトルになります)
 エッグモンスターは強力ですが使用回数に限りがあるので使いどころが難しく、この辺りの駆け引きが楽しいです。コメディ要素は強いですがゲーム性は高く、なかなか熱い戦いとなります。

 Switchで遊ぶ事は出来ませんが、スマホ版は存在するのでスクエニも忘れてはいない…はずです。今後新作でも出たら嬉しいところですね。

ロマンシング サ・ガ2

 SFC時代のスクウェアとして忘れてはいけないのは、1~3まで発売された「ロマンシング・サガ」シリーズです。本シリーズはバトルシステムとイベントの自由度が共通していますがそれ以外のシステムは作品ごとに異なり、今回2を挙げた理由は、数百年(時には1000年)にも渡る長大な帝国史を味わえる継承システムに有ります。

 最初の主人公はジェラールですが、とある人物から父レオンが継承法を習得、その知識と経験が後の皇帝にずっと受け継がれていく事になります。皇帝となるのは子孫ではなくこれまで仲間になっている職業から選び、時には人間以外が皇帝になったりもします。そして皇帝の職業に応じて帝国に新しい戦術(陣形)や術法の知識が蓄積されていき、キャラクターだけでなく帝国自体も育てていく事になります。
 意欲的なシステムの分、システムに詳しくないといつまで経っても強力な技を覚えられなかったりとややバランスに難ありですが、これだけスケールの大きいRPGは現在においても少ないので、他にないRPGとしてSFC時代の代表作に相応しいと思います。完成度の高さから、続編のロマンシング・サガ3の方をシリーズ最高傑作に挙げる方も多いですね。
 原作版は遊べませんが、Switchではロマンシング・サガ2,3のリメイク版が発売されています。

クロノ・トリガー

 坂口博信氏、堀井雄二氏、鳥山明氏というゲーム界の三傑が開発する夢のような企画、その名も「ドリームプロジェクト」によって生み出されたRPGです。
 最高の人材を集めたからといって、最高のゲームができるのか?という不安をはねのけるかのように、「クロノ・トリガー」は見事に期待に応えました。コマンドバトルながらドラマチックな戦闘、パーティーの組み合わせで変わる合体技、現在・過去・未来を旅する壮大なストーリー、素晴らしいBGM、色々な結末が待っているマルチエンディングと、これでもかと様々な要素が組み込まれ、しかもちゃんとバランスが取れています。
 周回を楽にするべく設けられた「強くてニューゲーム」も、いまや広く一般に使われる言葉となっていますね。

 筆者が忘れられないのは、本作で使われている「時の回廊」のBGMを始めて聴いた時の衝撃です。その際の演出も相まって、しばらくコントローラーを握ったまま動けなくなるほどでした。そんなわけで思い出補正が強い事は重々承知の上で挙げる事にしました。とはいえ、プレイすれば忘れられない名作である事は間違いありません。
 現在Switchで遊ぶ事は出来ませんが、続編の「クロノ・クロス」のリマスター版はSwitchで発売されているので、本作もあるいは…と期待しておきましょう。

最後に

 いかがだったでしょうか。残念ながらNintendo Switch Onlineで遊べない作品が多いのですが、いずれも機会があれば遊んでいただきたい作品ばかりです。
 SFC時代は名作が多くて、10本挙げるのはかなり悩みました。ファミコン時代は斬新なシステムを盛り込んだもののゲーム性が追い付かなかったゲームが多く、その点SFC時代になると斬新かつ遊べるゲームが増えてきた印象が強いです。
 上記10本に入りませんでしたが任天堂とスクウェアが組んだ「スーパーマリオRPG」、今なお高い人気を誇り続ける「マリオカート」や「星のカービィ」、個人的に思い入れの深い「セプテントリオン」や「クロックタワー」、タクティクスオウガの前作に当たる「伝説のオウガバトル」、メトロイドヴァニアというジャンルまで作ってしまった「スーパーメトロイド」など、本当にたくさんの名作が登場した時代でした。

 改めて見ると7割が現在のスクエニ作品と、いかにSFC時代のスクウェア・エニックス両社が名作揃いであったかが分かります。(タクティクスオウガを開発したクエストは後にスクウェアに吸収され、「ファイナルファンタジータクティクス」を作り上げます)
 そしてSFC時代の終盤に任天堂とスクウェアが決裂してプレイステーション陣営に移り、それだけが原因ではありませんがプレイステーションが一時覇権を握った歴史を振り返ると、やはりゲームハードはゲームソフトがあってこそ成り立つものだと再認識せずにはいられません。

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