今でも通用するファミコンゲーム10選

レビュー
出典:My Nintendo Store

今回はちょっと趣向を変えて、ファミコンで出たゲームのうち、現在でも十分通用するレベルのゲームをリストアップしてみました。(筆者の主観全開です)

 2021年の10月にSwitch Online追加パックが開始となり、Nintendo64やメガドライブのゲーム配信が開始されましたが、その分従来のファミコン、スーパーファミコンの追加は減っていくと思われます。少々残念ではありますが、ファミコン時代を振り返るのに良い機会だと思い立ちました。

 追記:スーパーファミコン版の10選も作りました!こちらになります。

ファミコンで10本選ぶならこれ(主観)

一応上からオススメ順となりますが、明確に順位を付けるには微妙な差なので、あくまで参考です。

では、それぞれについて語っていきましょう。

ドラゴンクエスト3とファイナルファンタジー3

 この二作はまとめてお話します。当時エニクスの「ドラゴンクエスト」シリーズ(以下ドラクエ)、スクウェアの「ファイナルファンタジー」シリーズ(以下FF)はファミコンを代表するRPGの二大シリーズでした。後年、この両社が合併した時は驚いたものです。
 …と昔話は置いておいて、シリーズの他の作品も十分楽しいのですが、それだけでリストが埋まってしまうので一作品に限定しました。

 共に3作品目の完成度が一番高いと感じるのは、偶然ではないと思います。ファミコン時代はゲーム黎明期とも言え、様々なジャンルのゲームが登場し、そのUIやシステムも混沌としたものでした。ドラクエもFFも一作目は多分に実験作的要素はあったと思います。
 特にファイナルファンタジーは「これがヒットしなかったら会社を畳む」との思いから「ファイナル」と名付けられたという話もあるくらい、当時としてはヒットするかどうかは神のみぞ知る状態だったと思われます。

 今でこそRPGの代名詞ともいえるコマンド式バトルですが、最初は右も左も分からない中から生まれたこの二作品がシリーズを重ねるごとに徐々に洗練され完成に至ったのが共に3作品目なので、完成度が高いのだと思います。どちらの作品も転職がシステムに取り入れらえているのも、違う会社ながら同じようなノウハウの積み重ねが有った結果でしょう。(FF1にも職業は存在しますが、FF3の職業はストーリー進行に合わせて新しいものが解放されていくなど、大きく進歩を遂げています)

 そんなわけで、この二作品のおかげでRPGは一度完成したと言う事ができます。現在のRPGでも基本は変わらず、これからも変わらないでしょう。文句なく、現在でも通用するファミコンゲームです。
 ただ残念なことにドラクエ3もFF3も現在はリメイクされており、ファミコン版を遊ぶにはドラクエ3ならWii版、FF3ならファミコンミニと、かなり敷居が高くなっています。
 もちろんリメイクで版も良いのですが、原作を遊ぶ機会が無くなるのは少し残念ではありますね。

スーパーマリオブラザーズ3

 もはや説明不要の任天堂が誇るアクションゲーム、「スーパーマリオブラザーズ」シリーズ。初代は単純に次から次へと面をクリアするだけで、2は基本はそのままに1をクリアした人向けに高難易度化、というものでしたが、3にて今後のシリーズの方向性を決定するような大きな進化を遂げました。
 それが、従来の2Dアクションステージの前に探索要素付きのマップ画面を移動するシステムです。

 1や2でも隠し要素的にワープはありましたが、スーパーマリオブラザーズ3の登場によって苦手なステージは放置したり、あるいはクリアの助けになるアイテムを入手してから挑むなど、単に用意された面をクリアするだけのアクションゲームから、プレイヤーの判断によってどのルートを通るかの戦略的要素が追加されました。
 また、マリオの状態もチビ、スーパー、ファイヤーの三種類からしっぽ、カエル、ハンマーブロスなど一気に増え、特にしっぽは「空を飛べる」というこの手のゲームでは反則級の能力でありながらしっかりバランスを取るなど、もはや神がかったレベルの完成度となっています。

 マップ探索要素や変身要素はその後のマリオシリーズにも受け継がれている事から、やはりシリーズものの三作品目で一度システムとしては完成すると言えるかもしれません。本ゲームはNintendo Switch OnlineでSwitchで遊ぶ事ができます。

キャプテン翼2 スーパーストライカー

 大人気漫画「キャプテン翼」のゲーム化作品でありながら、サッカーゲーム風のバトルゲームとした点、クオリティの高いオリジナルストーリーで今でも最高傑作と名高いのが本作、「キャプテン翼2 スーパーストライカー」です。(以下キャプ翼2)
 システムは変わってしまいましたが、現在もSwitchで新作(キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS)が出ている事からも、いかに根強い人気であるかがうかがえます。

 原作漫画のトンデモサッカー(誉め言葉)を表現するには普通のサッカーゲームでは駄目だ、という判断があったのでしょう。選手たちには「ガッツ」という値が用意され、それを消費して必殺シュートを打つ、今で言えばRTSっぽいゲームとして作れられました。
 実はサッカー要素はきちんとしていて、ボールを持って何もしないでいると敵が寄って来てマークされますし、パスする際もその軌道上に敵が居ればパスカットに動きます。(オフサイドはありませんが)
 必殺シュートの演出や威力はもちろん、ドリブル能力の高い日向などは、相手がキーパーであろうが「強引なドリブル」で吹っ飛ばすなど、原作漫画がそのままゲームになったようなシステムは見事の一言に尽きます。

 このキャプ翼も人気シリーズ化し、三作目以降はスーパーファミコンで発売されることになりますが、シリーズ全体を通してもキャプ翼2が難易度的にも演出的にも一番バランスが良く、最高傑作と言えます。
 ただ残念なことに版権作品だけに扱いが難しいのか、現在遊ぶには「週刊少年ジャンプ版 ファミコンミニ」しか選択肢がありません。前述の通り、最新作のキャプ翼がSwitchで出ているので、旧作の配信は不可能では無いと思うのですが… 色々権利など有るのでしょうし仕方ないですね。

スターラスター

 恐らくあまりファミコンの名作としては馴染みが無いであろう、ナムコ(現在のバンダイナムコ)開発の3Dシューティングアドベンチャーです。映画「スターウォーズ」の影響もあってか宇宙を舞台とした3Dシューティングゲームはいくつか存在しているのですが、この「スターラスター」はただ敵を撃墜するだけでなく、味方の惑星や基地を敵から防衛しつつ戦うという要素も加わっています。

 とにかく圧巻なのがコックピット越しに敵部隊と戦う臨場感。よくファミコンでこれだけの表現ができたと感心します。武器は二連装のビーム砲だけというシンプルさも緊張感を高めるのに一役買っているのかも知れません。いま作ったら、恐らくサブ武器とかボムだとか、色々な要素がくっつけられることでしょう。
 武装はシンプルですが、敵部隊を撃墜したご褒美としてパワーアップする事も出来ます。他にもシールドやエンジン出力のパワーアップも可能で、特にシールド初期状態のままで強敵を相手にすると、一撃死の危険もあるほどです。

 最高難易度(アドベンチャーモード)では敵部隊の数も多い上に侵攻スピードも速く、初期配置の状態次第では最初からやり直した方が良いくらい、極めて効率的で速攻の敵撃破を要求されるようになります。
 正直なところ、アドベンチャーモードは色々大変なので、筆者のお勧めは通常難易度(コマンドモード)でまったり遊ぶ事です。と言っても下手すれば撃墜されるので、適度な緊張感を味わえます。

 本ゲームはNintendo Switch Onlineに含まれず、Switchで遊ぶには「ナムコットコレクション」から購入する必要があります。有料なのが難点ですが、間違いなく今でも通用するファミコンゲームと言えるので、気になった方は購入してみてください。

 ゼルダの伝説はSwitch新作の「ブレスオブザワイルド」がシリーズ最高の売り上げを記録、GOTYに選ばれるなど、一気に任天堂の代表的なゲームとなりました(海外では元から日本以上に知名度も人気もあったのですが、日本でもようやく日の目を浴びた感じです)

 リンクの冒険はそんなゼルダの伝説の二作目に当たるわけですが、初代のトップビューのアクションから横スクロールのアクションへと、システムを大きく変更しています。そんなわけか、タイトルも「ゼルダの伝説2」とはなっていません。残念ながらこの系列のゼルダは本作限りとなってしまいましたが、初代ゼルダの伝説の方は謎解きが難しい(ノーヒントで理不尽)ので、私はこっちの方が好きだったりします。

 マップ画面は一見普通のRPGのようで、草原などに踏み出すと敵シンボルが登場、ぶつかると2Dアクションによる戦闘が始まる、シンボルエンカウント方式です。シンボルエンカウント方式は当時は珍しいものでした。
 街道を歩く限りは敵が出ないので、情報収集で別の街に行きたい場合に煩わしい戦闘を避けることができるのは非常に親切に感じました。ゲーム内容はちゃんとゼルダしていて、暗い洞窟はキャンドルを入手してからでないと危険だとか、岩を破壊できるハンマーや海を渡れるイカダなどを入手するたびに行動範囲が広がっていきます。
 また魔法の要素も有り、強敵相手には防御力を強化して臨んだり、ハイジャンプで通常は届かない高所へ移動したりと使いどころが鍵となります。

 Nintendo Switch OnlineでSwitchでも遊ぶ事ができますので、まだ遊んでない方は是非一度遊んで欲しい作品です。また、初代から35周年を記念して発売された「ゲーム&ウオッチ ゼルダの伝説」でも遊べますが、こちらは完全にコレクターズアイテムという扱いですね。

熱血高校ドッジボール部

 くにおくんシリーズでファミコン時代に一世を風靡したテクノスジャパン。そのシリーズはスポーツにも舞台を移し、ドッジボール、サッカー、ホッケーなど様々なスポーツゲームが作られました。残念ながらテクノスジャパンはくにおくんに頼り過ぎて倒産してしまいましたが、現在はアークシステムワークスに引き継がれてSwitchでも新しいくにおくんシリーズが発売されています。かなり息の長いシリーズですね。

 そのスポーツものの最初が、この「熱血高校ドッジボール部」です。ドッジボールを主題としたゲームは少なくとも国内では初だったと思います。必殺技で敵を吹き飛ばす様はくにおくんの世界観にマッチしていて、どんな滅茶苦茶な投球も笑って許せます。
 ボールに当たっても体力がある限り内野に居続けられるという、本来のドッジボールのルールとは異なるものですが、それが良い方向に味付けされており、見た目以上に奥の深い作品となっています。
 また、チームメンバーの内野と外野を選ぶことができ、主人公であるくにおを外野に置く事も可能です。普段外野で使っていなかったキャラが意外な必殺技を持っていたりします。

 必殺技の出し方はちょっと癖がありますが、慣れてしまえば簡単に出せますし、敵の必殺技も受け止められるようになります。スポーツものながら敵をまとめてぶっ飛ばす爽快感も楽しめる、なかなか豪快なゲーム性は今でも十分に楽しいものです。
 Nintendo Switch OnlineでSwitchでも遊ぶ事ができるほか、Onlineに含まれない他のシリーズ作品も含め、別途Switchで発売されています。(くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション)
 こちらは原作版だけでなくクオリティアップ版も収録されているとの事です。

ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島

 アドベンチャーゲームというのは基本的に一回クリアしたら終わりなのであまり遊ばない方なのですが、「ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島」は思い入れが深いです。鬼ヶ島の名の通り桃太郎を題材としたアドベンチャーゲームですが、ありとあらゆる日本昔話を流用したアレンジが行われ、完全に別物と思った方が良いです。
 どちらかと言うとゲームとしての出来と言うよりもストーリーの良さで今でも通用する、という事になります。主人公が男の子と女の子の二人いて、どちらが行動を起こすかで結果が変わる要素も有りますが、基本的には一本道。
 なかなか笑える設定(桃から生まれるべき桃太郎がカップ麺のように熱湯を注いだお椀の中から三分経ってから生まれるなど)、ちょっと選択を誤ると即ゲームオーバーとなる非常に高い難易度になっており、癖の強い作品です。

 ネタバレしたくないので語れる内容が少なくて申し訳ありませんが、そのストーリーとBGMはきっと心に残るものだと思いますので、機会があれば遊んで頂きたい作品です… が、残念ながらSwitchでは遊ぶ事ができません。WiiUか3DSのバーチャルコンソール版となります。いずれNintendo Switch Onlineに出そうなタイトルではありますが。

MOTHER

 糸井重里氏がゲームデザインを行ったRPGであるMOTHER。ドラクエやFFのようにRPGはファンタジー世界が当たり前だった中で、現代(1988年)のアメリカが舞台と言う斬新な世界設定。平面ではなく立体的なマップに、斜め移動や癖のあるテレポーテーション、なぜか心に残ってしまう各種の会話や特に何の理由もなく献身的なフライングマンなどなど、MOTHERにはこのゲームでしか味わえない要素が多くあります。
 MOTHERは3部作ですので、そのうちでどれか?となるとMOTHER2が一番良いのですが、直接ストーリーの繋がりは無いとはいえ、やはりMOTHER1から始める事をお勧めします。

 こちらも前述の新・鬼ヶ島同様、心に残るBGMとストーリーが展開されます。ストーリーについては最初から謎に満ちた始まりですが、すべてにおいて謎が明かされるわけではなく、プレイヤーの想像に委ねられます。ネットを少し調べてみてもたくさんのファンの方が様々な考察を上げていますが、それこそが製作者が望んだことなのでしょう。
 またRPGとして見ると意外と難易度が高く遊びごたえもあり、ゲーム自体、ストーリー、BGMといった要素がすべて高いバランスで噛み合った傑作と言えます。Nintendo Switch Onlineで遊べますので、まだの方は序盤を少し遊んでみてはいかがでしょうか。きっと引き込まれると思います。

マリオオープンゴルフ

 任天堂は初期の頃からゴルフゲームを制作し、しかも早々に完成させてしまいました。振りかぶるとメーターが上がり、ちょうど良い力加減で離すと今度は元の場所に戻っていく。その時、中心線ぴったりでボタンを押したら真っすぐにボールが飛んでいくが、中心線より左だとボールは右に曲がってしまい、右だと左に曲がってしまう。
 ファミコン後期に発売された「マリオオープンゴルフ」もそのシステムを採用しておりますが、さらにはスイングの速さや高低の打ち分け、バックスピンやトップスピンと、もはや手を入れる所が無いくらいのゲームとなっています。そのせいか、その後の任天堂のゴルフゲームはプレイヤーの成長要素を入れたり、キャラクターごとに異なる能力を持たせたり、はたまたバトルしたり、とちょっと迷走気味にも思える発展を遂げています。

 マリオオープンゴルフは、そういった意味では純粋なゴルフゲームとしては新作が不要なほど完璧だと言えます。豊富なコース、ボールがカップに近付くとアップされる演出。難易度は高いですが、繰り返し遊ぶ事で上達を実感できる良作です。Nintendo Switch Onlineで遊ぶことができます。

最後に

 いかがだったでしょうか。Nintendo Switch Onlineだけでもかなりの数がありますので、逆に何を遊べば良いか分からない、と言う方の参考になれば幸いです。できるだけSwitchで遊べる作品にしたかったのですが、そうも行かない所が残念ではあります。それでもリストに上げた半数以上は遊べますし、30年以上経っている事を考えれば良い方かも知れません。

 TVゲームの世界も、「温故知新」という言葉が普通に使えるほどの歴史を積み重ねてきました。「世界のアソビ大全」で分かるように、ゲームと言う括りで言えば人間は古代からゲームを作り遊んできたわけで、それに比べるとTVゲームの発展ぶりは非常に目覚ましいものです。
 遊びきれないほどのゲームが現れては消えていく現代ですが、時にはファミコン時代のゲームを遊ぶ事で、今のゲームに繋がる先人たちの創意工夫に思いを馳せるのも良いかもしれません。

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