Deadly Days

レビュー
出典:My Nintendo Store

ゾンビもの高難度ローグライクRTS…ちょっと難しすぎる?

 洋ゲーでは何かと題材になりやすい、大量のゾンビから生き残るサバイバルゲームです。(制作会社はドイツのようです)
 この手のゲームだとバイオハザードのようにアクション要素が強くなりがちなのですが、本ゲームはゾンビと戦う生存者たちはオートで、プレイヤーは移動先を指定するRTSタイプとなります。どのように武器や食料、アイテムを調達して生き残るのか?という点に重点が置かれます。
 見かけはドット絵なのでグロさはあるもののコミカル調、しかし非常に難易度が高いので、好みの別れそうな作品です。

ゲーム概要

 まずストーリーですが、とあるハンバーガー工場で怪しいハンバーガーが作られ、それを食べた人間達がゾンビに変貌して街中を襲いだす、というトンデモな展開です。
 そんな状況の中、生存者(プレイヤー)を生き残らせ、仲間を集めてハンバーガー工場を破壊する、もしくは街から脱出する事が目的となります。
 作者はハンバーガーに恨みがあるのでしょうか。ゾンビものですが、このようなストーリーなのでホラー要素は無く、ドット絵による見た目もコミカルです。(血は容赦なく出ますが)

 生存者たちは毎日、安全地帯である拠点からバスに乗って街の探索に出かけます。探索によって家やお店、車や自動販売機と言った場所から戦利品(武器や食料、資材など)を得て、一行を強化していきます。
 上記の街の中での操作がゲームのメインとなりますが、最初の述べたようにプレイヤーは基本的に生存者たちの行き先を指定するだけです。指定された行き先の途中にゾンビが居れば、生存者たちは手持ちの武器で自動的に戦います。
 探索は最初は明るい状態ですが、時間と共にやがて日が沈み、夜となります。ゾンビもののお約束と言うか、夜になるとゾンビが明らかに増えますので、よほど生存者が強くない限り、探索を途中で切り上げて帰る必要が出てきます。この辺りの見極めが、このゲームの肝となります。

 武器には近接武器と銃器が存在します。もちろん銃器の方がゾンビに近付く必要が無いのでダメージを受けにくいですが、装填数やリロード時間の概念が存在するので、無双はできません。(幸い、弾切れはしません)
 生存者にはそれぞれ特性があり、近接武器のダメージが上がったりリロード速度が向上するなどの特性もあるので、持たせる武器は性能だけでなく特性も考慮する必要があります。

 そして探索の対象に時々現れる「ハンバーガーショップ」を探索する事でハンバーガー工場の地図(の一部)を手に入れ、これを4つ集める事で「ハンバーガー工場」の攻略が可能となます。
 こうしてハンバーガー工場を破壊するか、あるいは集めた資材を使ってロケット工場を作り、ロケットの部品を集めてロケットで脱出したらゲームクリアとなります。

良い所

繰り返し遊ぶことで着実に強くなっていく

 最初の頃はすぐに夜になってしまいゾンビ達に囲まれ、あっという間にゲームオーバーという事も当たり前のように起こります。あるいは、戦いを有利にするために生存者を増やしたら、食料が足りなくなることも。
 難易度易しいでもかなりの難しさを誇るので、少しずつ慣れていく事が大事です。役立てたいのが、右スティック上下でのズームイン/アウトと、「Lボタン」でゲーム進行を止めること。面倒でも頻繁に止めて状況確認を怠らないようにしましょう(この状態でも回復や爆撃の指示は可能です)

 状況を見極めることが出来るようになれば、どのタイミングで探索を切り上げて帰るべきか判断できるようになり、少しずつ生存期間が長くなっていきます。やり込むほどに自分の成長を実感できるゲームです。 

賛否両論っぽいところ

意外と時間がかかる仕様

 探索開始から1分30秒ほどで夜になってしまうので(アイテムによって延長は可能)、一回の探索は短いので、一見気軽に遊べそうに見えます。しかし十分な人数(それに応じた食料)、十分な装備で最終決戦に挑むには何度も探索を繰り返す必要があり、全体のプレイ時間は思いのほか長くなります。
 ちなみにロケットで脱出する場合も、相当な資材が必要になるので、結局時間が掛かります。

 じっくり生存者たちを強くしていく分には良いのですが、ちょっと空いた時間に気軽に遊べるタイプのゲームでは無いのでご注意ください。

イマイチに思うところ

一部不親切な部分がある

 本ゲームは様々な要素があるのですが、説明が少なく、自分で調べなければならない事が多いです。
 例えばマップ探索の候補。ハンバーガーショップは目的上分かるのですが、病院や倉庫、スーパーマーケットなどがそれぞれどんなメリットがあるのか分かりません。マップの特記事項も同様です。
 (ちなみに病院は特殊能力、倉庫はアイテム、スーパーマーケットは食料がそれぞれ手に入ります)
 探索選択時に、入手できるリソースの予想値を出してくれたら、ゲーム知識が不足している最初の頃も、もう少しとっつきやすかったのではないかと思います。

 また、生存者の内誰か一人がリーダーとなり特別なバフ効果も受けられるのですが、自動で設定されるので自分でリーダーを選ぶことが出来なかったり、武器のレベルが非常に小さくて特に携帯モードだと読めない(次の小ささだけではなく、色や背景の模様も原因)、探索対象も光ってはいるもののやはり小さく、特に車は見落としやすいなど、様々な面で不親切に感じてしまう所があります。

人を選ぶ難しさ

 良い所で遊ぶほど成長を実感できると書きましたし、それはその通りなのですが、それを差し引いても難しいと言わざるを得ません。これは主に探索時間の短さにあるように思います。
 通常、探索開始から1分30秒ほどで夜になってしまいますが、探索の主目的となる大きな施設(ハンバーガーショップやスーパーマーケットなど)は、アイテムを回収するだけで1分近くかかってしまいます。
 マップは最初から見えているわけでは無いので、下手したら目的の施設を見付けた時点でもうタイムリミットだったりします。せめて複数人使って回収までの時間を短く出来たら良いのですが、生存者が何人いても一人しか回収に参加できません。
 それでもアイテムが欲しいから無理してしまったがために夜になって一気にゲームオーバー、と言う事も良くあります。とにかく夜になってしまうと極端に難しくなり、どれほど生存者を強化していてもあっさりと殺されてしまい、一人死ぬと戦線が維持できなくなって一気に全滅の恐れもある、本当に辛いゲームバランスです。

まとめ

 少し難しすぎると思える本作。しかしインディーズゲームらしい調整とも言えます。慣れれば作業になってしまうような簡単なゲームはお断り、という硬派なゲーマー向けであることは間違いないでしょう。 

主なロード時間(演出による待ち時間含む)

計測対象待ち時間備考
起動からタイトル画面まで 約27秒起動後、タイトル画面(メニュー)が表示されるまでの時間
最初のメーカーロゴはスキップできない
タイトルからゲームスタートまで約20秒「ニューゲーム」で難易度と特性を選んだあと、もしくは「続ける」で拠点画面が表示されるまで
探索地点を選択して探索開始まで12~22秒生存者がバスに乗り込み、発車するデモ~目的地にバスが着き、降りるまでの操作不能時間が測定対象
マップ規模と共にロード時間は増える
探索終了から帰還まで約9秒生存者がバスから降りるデモが終わり、拠点メニューが表示されるまで

 許容範囲ではあるのですが、拠点と探索地を頻繁に行き来するゲームですので、探索開始までのロード時間がもう少し短ければ、もっと快適だったと思います。

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